ZP27  03月15日

つれづれ。 

 以前、出張で教室にいけない日の学級通信に、いつも口頭で注意を促しているいくつかの注意事項を書き、クラス会長に配布してもらったことがある。その中のひとつに次のような項目を書いた。
 「正門でつまらないイイガカリをつけられないようにしてください」
 さて、これをどう受けとめるだろうか。私は常に目線を下げて、生徒の立場で語りかけるように学級通信を書いてきたつもりである。以前、校内研修で映画 「パッチアダムス」 を見たことがあるが、それを見なくても目線は下げているつもりだ。かえって下げすぎてしまい、自分が何者かわからなくなるのがたまに傷なのだが。まあ、そんな観点からこの項目を読んでもらえれば、
 「たまたまネクタイ忘れちゃったとか、頭髪に染め残しがあったとかのような、諸君のつまらないミスによってイイガカリをつけられないようにしないといけないよ」
 と普通に受けとめられる。というか、彼等はそう受けとめていた。
 ところがおもしろいことに、
 「正門で指導している教員がつまらないイイガカリをつけているというのか・・・・・・」
 といったクレームが出たというのである。ちゃんちゃらおかしくって、このことを言い出した人の頭の中を覗いてみたくなった。どうやら目線を下がることができない、私は誰よりも優れているんだ・・・・・・という考えしかできない人にはこう受けとめられてしまうようである。それともイイガカリという表現が気に入らないのだろうか・・・。
 あげくの果てには、「学級通信にこういったことを書いている場合ではない・・・・・・」 と、生徒指導の研修会の資料か何かに満足そうに載せられてしまう始末であった。その研修会に参加していた人が笑いながら教えてくれた。ま、それを資料に載せたからといって何の影響もないし、そのお方が満足感を抱いているのであれば、少しは良いことをしたことになるかもしれない。
 十人十色。
 研修会といえば、先日の研修会中の雑談で、生徒が挨拶をしてくるにも関わらず、挨拶を返さない職員の話題になった。ところが生徒だけではなく、我々に対しても挨拶を返せない職員が多いと言う。比較的懇意にしている職員や生徒には普通に挨拶ができるのだが、そうではない職員や生徒には、挨拶をされても 「シカト」 をしているというのである。目もあわせようとしないらしい。
 こういった行為をいたす人はある程度特定できるというので注意して過ごしていたら、嬉しいことに私も経験できた。入試が終了した日のことである。退勤時間だったが、ちょっと作業があるので残っていて欲しい、と言われたので言われるままに待機していた。作業場所等何も伝えられていない私は、いちおう校内を探したものの、結局わからずに戻って再び待機していた。そうこうしているうちにその本人ら数名が作業を済ませて戻って来た。ハメラレタかな・・・と思った。
 いちおう先輩なので下手に出て、「あ、すみませんでした」 と声をかけると、案の定目もあわせずにシカトをされた。シカトをされる理由はどこにもない。かえってコチラがすみませんといわれる立場のはずである。後ろから肩を掴み、ゆすりながら 「ほら、シカトしないでくださいよシカト・・・で、作業は?」 と再び声をかけると、オロオロと目を泳がせながら、「終わった、おわったよ・・・」 とうろたえる始末であった。
 人のフリ見て我がフリ直せ。 

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