オランダゆかりの物事典

ニッケル

アムステルダム国立美術館研究図書館

意味・解説

ニッケルとは、周期表で「Ni」の元素記号を持つ化学元素で、原子番号28を持つ元素。銀白色の金属で、非常に耐食性がある。

非常に堅く、引っ張り強度が高いため、合金として多くの産業で使用される。磁性を持つことでも知られている。

オランダとのつながり

「ニッケル」の語源は、オランダ語でニッケルを意味する「nikkel」が由来とされる。

ニッケルやニッケル合金は、非常に多くの産業で使用されていて、オランダも含め多くの国で重要な役割を果たしています。

その耐食性、強度、電気伝導性、磁性などの特性から、さまざまな分野で役立っています。自動車、航空機、医療機器、電子機器、電池、自転車、硬貨など、多くの用途で使用されています。

nickelの語源

「nickel」の語源は、ドイツ語の「kupfernickel」に由来します。kupfer は「銅」を、nickel は「悪魔、いたずら者」を意味します。鉱山労働者が、銅のように見えるが銅を産出しない採掘を妨げる鉱石と誤解し、そう呼んだとされています。

ニッケルはスウェーデンの化学者が発見し、スウェーデン語の「kopparnickel」がドイツ語に取り入れられ「kupfernickel」となり、英語の「nickel」になったとされます。

日本では、江戸時代の化学書「舎密開宗」に「ニッケル」と記載されていて、当時から名称は使用されていたと思われます。蘭学者である宇田川榕庵の著書であることから、オランダ語に影響された可能性が高いと考えられます。

明治時代以降、西洋の科学と技術を積極的に取り入れて、その性質や用途が理解されました。さまざまな産業や技術の分野で使用されるようになり、その後の日本の産業発展に貢献しました。