服部時計店の創業者、服部金太郎氏は、明治25年6月、東京(当時は東京市)本所の石原町に精工舎工場を設け、掛時計の製造を創めたと云われています。石原町では約1年半、稼動していたようで、今でもかなりの数のボンボン時計が現存しています。左の時計は石原町時代の後半に製造されたもので、機械の下部右に鍵Sマークが入っています。ケースを掛ける金具は、小判型で木ネジ1本で留められています。全長54cm、10吋ペイント文字盤、時打ち、1週間持。

 石原町から柳島町に工場が移ったのは、明治26年と云われ、左のものはその最初期と思われます。上部と同じ三筋で同様の飾りがついています。全長49cm、8吋ペイント文字盤、1週間持。

精工舎の掛時計

三筋時計(石原町と柳島町)