お勧め皿 

  

私のお気に入りのアルバムの紹介です。お気に入りの大方は、諸先輩方が紹介なさっていたり、「定番でしょう」なんて言われてしまっていたりするものが多いのですが、ソコにあてはまってしまったアルバムについては「なんだお前もか・・・」と共感の声をいただければと思います。また「えっ、こんなのが?」なんてのもあるかもしれませんが、「ああ、斎藤はそういう奴なのか」で片付けてください。
機材がどうとか、音作りがどうとかという難しい話は抜きにして、もう感覚的に好きって感じで選びました。

 

『BAND ON THE RUN』   WINGS
中学1年の時に初めて買ったLP。兄→ビートルズ→ポールという流れの中で「よし、ビートルズにいたポールのバンドなのだからきっといいバンドに決まってる」とたかをくくってレコード屋へ。何枚かあったWINGSのアルバムの中からジャケットで選び出した。聴いてびっくり。小学校低学年に近い頃、父親と兄とで菅平へスキーへ行った時、夜中にラジオで流れていて、幼心にカッコいいなと思っていた曲が入っていた(なんだかこんなパターンが多いです)。「JET」がその曲。以降、生まれたばかりのヒナが、最初に認識したものを親と思い込むように、刷り込み現象によって、次第にこのアルバムが好きになる暗示にかかった斎藤少年がいた。
後にギターを弾くようになった私が、弾けて本当に良かった、と思えた曲が「BAND ON THE RUN」オープンコードとストロークの練習にはもってこいだった。
歳をとるごとに感じることは、最初のアルバムがコレでよかったということ。でなければ音楽的な方向性も、変わっていたかもしれないからである。  

『BLACK ROSE A ROCK LEGEND』   THIN LIZZY  
「なんてったってTHIN LIZZY」なくらいお気に入りのバンドでもある。認識したのは中学1年の時の友人のおかげ。「ねえねえ見てー、フィルがね、フィルがかっこいいのー」とミュージックライフ誌の切り抜きを持ってきた彼からライブを借りてハマり始めた。ツインリードギターなんて言葉も覚えることができた。
そんな最中にリリースされたのがこのアルバムである。それまでの彼らのアルバムにはない、ちょっと鋭角なサウンドはゲイリー・ムーアのせいだろうか。フランジングのかかったベースがかっこよくてかっこよくて、即効フランジャー(BOLZという聞いたこと無いメーカー)を買った。
アルバム全体の構成も、ガキの私にでもわかるくらいよーくできていて、最後の曲(タイトル曲)は圧巻。ジャケット飾るのもよし、もちろん聴くのもよし、コピーするのもよし、こまわり君のようにレコードの溝を読むのもよし、な一枚。
ハードロックやメタルが好きなヒトはおさえるべき。 

『TRAVELIN’BAND』   THE CHARLIE DANIELS BAND   
そろそろ南方のアルバムを紹介しないといけないと思い、何が良いかと、あーじゃねーのこーじゃねーのと試行錯誤を繰り返し、たどり着いたのがチャーリーおぢさんである。サザンロックは大好きなのだが、その半面C&Wなんかにも食指をそそられ、学生時代は渋谷警察署裏「ナッシュビル」(だったかな)にも足繁く通っていた。そんな私がこのバンドを知ったのは、当然南部がらみのコラムか何かを読んでいる時だった。「ええー、バ・バイオリン?」なんて思いもどこへやら、「フィドル程心地のよいものはない」までになってしまったのである。
してこのアルバムの曲タイトルには、ルイジアナやらカロライナやらジョージアやらの地名がぞくぞくと登場してしまう。ちょい古のキャデラック(個人的にはダッヂが好き)のオープンで玉蜀黍畑の中をのんびりと転がしながら聴くのにはもってこいなのである。
レイナードの絡みでいくつかの音源や映像を聴いたり見たりしたことがあるが、このバンドを堪能するに値する映像やライブ音源を知らないのが残念である。どなたかに教えていただきたい思いでいっぱいなのねん。

『5150』   VAN HALEN    
免許を取った頃から必ず彼等のアルバムが車の中にあることに気がついた。今日の昼間のことだ・・・遅すぎ。
ところが彼等がデビューした頃はキライだった。自分たちの曲ではない、エディの口が閉じない、ギターの改造がきたない・・・の3ないが原因である。ネタでもなんでもなく本当のことである。
プレイヤーマガジン等のトピックスで、彼等のキースムーンばりのご乱交ぶりを読んだことがきっかけでなんとなく親近感がわき始め、エディのキラキラなサウンドにはまっていった自分がいた。「デイヴ脱退」のニュースを聞いて「どうなってしまうの、ねえったらー」なんて思ったのもつかの間、なんだか赤い服着たロバートプラントが入ってきた。
鍵盤も使い始め、サミーの声も心地よくなり、いつしかこのアルバムはお気に入りになってしまったようだ。4曲目の『Dreams』はお気に入りとして今でもガンガンかけていたりする。歌詞の内容とはちょっと違うが、手前の目標にむけて突っ走る時には欠かせない曲!
当然ギタープレイも心地良いので、全てのギターキッズは必聴のアルバム。ヤワな和製ビジュアルロックなんて聴いてんじゃねーぞ。 

『STRAIGHT TO THE HERAT』   DAVID SANBORN    
最近ではすっかりおなじみになってしまったサンボーン御大。彼も好きだったのだがベースのマーカス・ミラーに惹かれていたことが多かった。マーカスとの出会いはMデイヴィスのライブ盤『WE WANT MILES』や渡辺貞夫他のライブアルバム(タイトル忘れてしまった)でナベサダの曲でのベースソロにヤラレタ高校生位の頃。そこからモントレーのライブ盤(カジノライツだったかな)でサンボーンを知り、更にヤラレテいった。
このアルバムは確か浪人中に発売されたので、渋谷のディスクユニオンで独盤を購入。聴いて聴いて聴きまくってベースをコピーしてコピーしてコピーしまくった覚えがある。鼻をつまんだようなHブロックのギターも、聴いているうちに許せるようになった。
数年後よみうりランドEASTでのLIVEアンダー(残念ながらマーカスはこなかった)ではとにかくヤラレタ。開演前に仲間内でべろべろになりながら、各種コースターに乗ろうとしたら、前のコースターにサンボーンバンドのメンバーが大騒ぎして何度も乗っていた。ハイテンションなHブロックに声をかけたっけ。あ、山中湖にもサンボーンを観にいった記憶がある。好きなんだねー。ベースキッズは必聴!

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