マウリッツ・エッシャー

意味・解説
マウリッツ・コルネリス・エッシャー(Maurits Cornelis Escher, 1898 - 1972)とは、トリックアート(だまし絵)で知られる画家・版画家。
視覚的なトリックや独創的なアイデアの作品で知られ、芸術と数学を結びつける先駆的な作品として高く評価されている。
その作品は美術館や博物館で展示されており、幅広い人々から愛されている。
オランダとのつながり
エッシャーはオランダ出身の芸術家。主に版画作品で知られている。
エッシャーの作品は、芸術、数学、科学、哲学など、さまざまな分野で新しい視点やアイデアの源として評価されて、多くの人々に強い影響を与えました。
広告、映画、テレビ番組、音楽ビデオ、アルバムジャケット、グラフィックデザインなど、さまざまなメディアでも模倣されています。
独特な視点や錯覚、形の変化、立体感を利用したデザインは人々の目を引く効果を持っていて、芸術家やデザイナーに受け入れられました。
幾何学的な形状やパターンは数学者や科学者に影響をあたえ、現実と非現実の境界を探るような不思議な世界観は哲学的な問いかけも含んでいます。
不思議な建物や無限のループ、透視法など、錯視や視覚的トリックを使った作品の先駆けとなりました。
例えば、「上昇と下降」では階段がループして無限に続く構造が描かれ、「描く手」では手がお互いに描き合ってる錯覚を引き起こします。
エッシャーの作品は、創造性や新しいアイデアを追求する着想を提供しています。
エッシャーの作品を集めた美術館は、オランダのハーグにあるエッシャー美術館が有名です。宮殿を改装した美術館で、エッシャーの作品だけではなく、エッシャーの生涯や創作活動についての展示や解説もあります。
エッシャーの代表作の一部
- 「上昇と下降」(Ascending and Descending)
- 「描く手」(Drawing Hands)
- 「水晶」(Crystal)
- 「滝」(Waterfall)
- 「タイル」(Tile)
エッシャーの作品を見ると、いろいろな所に影響を与えていることを感じます。
エッシャーの父親「エッセル」
日本の明治新政府は、オランダ東インド会社を通じて情報は得ていましたが、鎖国での遅れを取り戻すため先進技術の導入が必要でした。多くの外国人の技術者を招聘し、オランダ人技師は河川や港湾、水路の改良計画に携わりました。エッセルはかねてから日本に興味を持っていて、招聘に志願して来日し、エッシャーのオランダ語の発音に近い「エッセル」の名で記録に残っているそうです。
滞在は5年間で、淀川と三国港の改修工事を手掛け、三国の人々の要請で龍翔小学校の校舎も設計しました。5年目の信濃川改修の後に帰国し、オランダ人女性と結婚して授かった5人の息子の末っ子が、視覚の魔術師エッシャーです。