2025年10月25日(土)~12月21日(日)
広井信一ほか《朱漆塗金蛭巻鞘大小拵》 1958年 足利市民文化財団蔵
「刀装」とは、刀剣外装のことで「拵」とも呼ばれます。刀装はもともと武用につくられたものですが、これを構成する鞘や柄、鐔などの刀装具を見てみると、木工や金工、漆工や染織など、日本の工芸技術の集大成であることがわかります。とくに、泰平の世が訪れた江戸時代には、町人文化が発達し、おしゃれでこだわり抜かれた変り塗の鞘や、より緻密な技巧を凝らした刀装具が多く生み出されました。
本展では、江戸時代の装剣文化や、刀装具に見られる多様な意匠、モチーフなどを、その素材や制作技法とともにご紹介します。また、それぞれのパーツごとに、できるだけ細やかな職人技を堪能いただけるよう構成しました。
ぜひ、完成された「刀装」の美しさとともに、細部にもご注目いただき、鞘師、塗師、白銀師、彫金師、柄巻師などによる細やかな職人技をお楽しみください。
監修=井本悠紀(國學院大學大学院兼任講師)
木下晋《103年の闘争Ⅲ》 2000年
人にとって、けっして避けることができない「死」と、限りある時の中でこそ輝きを放つ「生」を表現することは、芸術の普遍的なテーマであり続けてきました。そうした芸術は、日常の中では意識されることが少ない「命」の在り方を、観るものに強く問いかけてきます。
本展では、足利市立美術館のコレクションの中から、人の「命」の在り方を表現の
内に含むとみられる作品、現代の作家を中心にして構成します。それぞれは趣旨、テーマ、技法は異なりますが、各作家が自身の存在をかけて創作してきたものであり、これらの作品と向かい合うことで、私たちは自身の「生」についても、より深く考える機会が得られるでしょう。
関連プログラム
《学芸員によるギャラリートーク》
日時:10月26日(日)、11月22日(土)、12月7日(日)
各日午後2時から3時まで
《学芸員による鑑賞ワークショップ》
「いのちの寓話-allegory of lives」のみ対象
日時:11月16日(日) 午後2時から3時まで
上記のトークイベントでは参加費、お申し込みが不要です。開始時刻に美術館受付前にお集まりください。なお、高校生以上は当日観覧券が必要です。
〒326-0814
栃木県足利市通2-14-7
TEL 0284-43-3131