足利・ほしの畳店

ごあいさつ

_MG_0306.JPG和室をイメージした時に、まず最初に思い浮かぶのは、多くの場合畳ではないでしょうか。
昔から日本人の生活に欠かす事の出来ない畳は、日本の気候風土に適しているだけでなく、やわらかく適度な弾力を持ち、座っても歩いても、そして寝ころんでも気持ちのいい、からだ全体を喜ばせてくれる、とてもすぐれた内装材です。
近年、住まいの洋風化や合理化が進み、忘れられがちではありますが、畳はけっして過去のものではありません。新しい時代にも対応して行ける、豊かな可能性を秘めた床材なのです。
それは海外においてはクールな内装材として迎えられている事や、子供の学習能力の向上に効果が期待できるとの研究報告がある事、次々と発表されるバリエーション豊かな新材料の開発、などからも裏付けられると言っても良いでしょう。

_MG_0373.JPGほしの畳店はより多くの方に畳の良さをお伝えし、より良い畳をお届けするために、代々の教えを守り、良い材料をそろえ、丁寧な仕事を行うように心がけております。
また、お客様に安心してお使いいただくために、畳表には国産品の使用を徹底し、さらに産地農家の方々との交流を深め、より安全な畳表の入手に力を入れております。
うわべだけの知識や見せかけの技能では無く、必要な事を確実に行い、もてる技術を余すところなく使い、しっかりとした製品をお客様にお届けする事が、なによりも大切な事であり当店の使命だと考えております。


当店が何よりも大切に思う事

代々受け継いだものは技術だけではありません。先代から受けた心構えは私の大切な財産です。
その財産の幾つかをご紹介します。

畳替は畳屋にとっては日常だが、お客様には非日常である事
当たり前の事ですが、毎日畳替の仕事をする畳店にとって、畳工事は日常的な作業です。
畳工事に限りませんが、一般的に日常的であるという事は、ともすれば惰性的な流れに陥る可能性が考えられます。
毎日時間に追われて作業するうちに、「まあ、こんな程度でいいだろう」と安易に妥協してしまうことは、仕事や家事などにおいても有りがちな事では無いでしょうか?
しかしお客様にとって、畳替は数年に一度の大切な行事です。しかも高いお金をかけて行なうわけですから、きちんとした仕事をしてもらう事を当然の如く期待されるわけです。
「お客様の立場に立ち、手を抜かず、確実な仕事を心がける事が何よりも大切だ」
当店はこのように考えております。

どんなに安い仕事でも変わらぬ水準で作業をすると言う事
1064.jpg単価の安い仕事だから適当にすっ飛ばして作業をする、高いお金を頂戴するから特別丁寧な作業をする。当たり前のような事かも知れませんが、実はこれには落とし穴があります。
常に安価な仕事ばかりしていると、いざ高い仕事を受けた時に丁寧な仕事が出来るかと言うと、なかなかそうは行きません。
適当な仕事に体が慣れてしまい、良い仕事をしようにも上手く出来なくなってしまうものです。
そうならない為にも、仕事は常に丁寧に作業する事を心がけなければなりません。
「値段で仕事に差をつけない、値段で差をつけるのは使用する材料だけ」
これが当店の考え方です。

名人の仕事
手前味噌ではありますが、私の父はまわりの同業者からしっかりした仕事をすると評価されていた畳職人でした。
その今は亡き父からよく聞いた話ですが、むかし名人と言われる畳屋さんが足利にいらしたそうです。
父が若い頃、その名人が仕事をしたお客様の畳を預かりに伺うと、一見してまだ新しそうに見えた畳が、あげてびっくり、実は何十年も使われたとても古い畳床だったのです。
そんな古い畳を、同業者が見てもまるで新品のように見せてしまう技術に父はたいへん驚いたそうで、「あの名人にはよく騙されたものだよ」そんなふうに笑いながら話してくれたものです。
父が目標にした名人の仕事を、及ばずながらも私も目指し、いつか同業者を騙すような仕事が出来たら・・・
そんな事を思いながら日々の仕事に勤しんでおります。