オランダゆかりの物事典

ダブルダッチ

オランダ船

意味・解説

ダブルダッチとは、2本のジャンプロープを使うスポーツまたは遊び。2人の回し手が2本のロープを回転させ、その中を跳び手がロープのリズムに合わせて跳ぶ。

一般的には、ロープの回し手を「ターナー」、跳び手を「ジャンパー」と呼ぶ。

オランダとのつながり

ダブルダッチの語源は、ニューアムステルダム(現在のニューヨーク)に入植したオランダ人が持ち込んだ遊びを見て、イギリス人が名付けたことが由来とされる。

「Dutch(ダッチ)」とは、オランダ人、オランダ語、オランダの、などの意味。

Double Dutch(ダブルダッチ)は、オランダを起源とする遊びから発展し、アメリカを含む国々で人気が広がり、国際的なスポーツとして成長しました。特にアメリカは競技の普及に大きく貢献しています。

17世紀初頭、オランダは商業の拡大を進めていました。オランダ東インド会社を設立し、やがて海洋大国としての地位を確立してオランダ黄金時代を迎えます。

1621年、オランダ西インド会社を設立し、1625年にマンハッタン島南端に植民地行政の拠点を築き、ニーウ・アムステルダム※と命名します。

ニーウ・アムステルダムは、活発な商港として発展し、オランダの植民地ニューネーデルラントの首都として機能します。そこに移り住んだオランダ人入植者によって、2本のロープを使った遊び(ダブルダッチ)が伝わったと考えられます。

※ニーウ・アムステルダム(Nieuw Amsterdam)/ニューアムステルダム(英語:New Amsterdam)は、1664年にイギリスによりニューヨークに改名されます。

わずか2本のロープで遊べることから子どもたちの間に広まり、それから長年にわたって楽しまれながら成長しますが、1950年代後半までに、他の娯楽も増え、遊び場も不足してきたため、その姿はほぼ失われます。

1973年、ニューヨーク市警の2人の警察官が、新しいスポーツとして競技を再生・活性化させます。翌1974年に第1回ダブルダッチトーナメントが開催され、国際的なスポーツに発展していきました。

それ以来ダブルダッチは、高い競技性やパフォーマンス、エンターテインメントとしての一面も持ち、健康の促進とコミュニティの一部として子供から大人まで幅広い年齢層に楽しまれ、世界中に広がっています。

複雑で理解不能・訳がわからない

ダブルダッチには「理解できない言語」や「難解な内容」の意味もありました。外国語としてのオランダ語は簡単には理解できなかったため、オランダ語の2倍難しいという意味の「ダブルダッチ」が使われるようになったとされます。

現在ダブルダッチは、一般的にはロープを使った遊びやスポーツを指す言葉ですが、英語圏の俗語で「難解な言語や内容」などを指すこともあります。

なぜオランダが「Dutch(ダッチ)」なのか