オランダゆかりの物事典

ガラス

研究室

意味・解説

ガラスとは、主成分としてケイ酸を含む複数の酸化物を組み合わせて製造される、非晶質の特性を持つ透明な材料。

透明で光を透過し、硬くて耐久性があり、化学的に安定している特性から、窓、食器、容器、建築材料、レンズ、画面など、さまざまな用途に広く使用されている。

オランダとのつながり

「ガラス」の語源は、オランダ語でガラスを意味する「glas」に由来する。

日本は鎖国中にオランダと交流していたため、多くの外来語がオランダ語を介して導入された。「ガラス」も日本語に定着した言葉の一例。

オランダは、ヨーロッパのガラス製造技術の発展に貢献した国の一つです。特に17世紀はガラス製造において先駆的な役割を果たし、その技術が他のヨーロッパ諸国にも伝わりました。

オランダ黄金時代には、非常に均一で透明な優れた窓ガラスの生産で有名でした。フェルメールなどの画家たちにとって理想的な光の条件を提供したでしょう。

オランダの涙

Prince Rupert’s Drop(オランダの涙/プリンス・ルパートの滴)は、溶融させたガラスを急冷させて滴形に作成されたガラス製の物体です。本体部は非常に頑丈で硬い一方、先端部を折ると瞬時に破裂するという特性があります。

「オランダの涙」という名前の由来は、初めてオランダで製造されたという説と、ガラスがオランダ製だったという説などがあります。「ルパートの滴」は、イギリスのルパート王子がこの珍しいガラスの特性に興味を持ったことに関連します。

オランダはガラス工芸にも伝統を持っていて、ユトレヒトやデルフトなどの都市でガラス製品の生産が盛んでした。食器、花瓶、照明など多くの美術品が作られ、高い評価を受けました。

オランダ東インド会社は17世紀にアジア貿易を展開し、ガラス製品も輸出品の一部でした。この交流によって、オランダのガラス製造技術はさらに広まりました。

主なガラスの種類の一部

ガラスには、成分や加工方法によって、さまざまな特性のものが存在します。

・強化ガラス:熱処理によって強化されたガラス。耐久性が高く、破損すると細かい破片になり、安全ガラスとして用いられます。

・耐熱ガラス:熱膨張率が低く、耐熱性が高いガラス。耐熱ガラス製品や実験用ガラス器具に使用されます。

・光学ガラス:高い透明性と光学的性能を持つガラス。レンズ、プリズム、光学機器などに使用されます。

・クリスタルガラス:高品質な無色透明のガラス。水晶のように輝く特性を持ち、食器、装飾品、宝石などに使用されます。

ガラスは多様な用途により、日常生活に広範囲にわたって存在しています。

オランダはガラスの歴史と技術において重要な役割を果たし、その影響は他の国々にも及んでいます。オランダとガラスには深い歴史的なつながりが存在します。

なぜオランダは鎖国でも貿易できたのか