オランダゆかりの物事典

水出しコーヒー

カフェ&レストラン

意味・解説

水出しコーヒー/ウォータードリップコーヒーとは、お湯を使わずに水を使用して長時間かけて抽出したコーヒー。

通常のコーヒーと比べて酸味や苦みが少なくまろやかな味わいで、香りが強くスッキリとした口当たりが特徴。

オランダとのつながり

水出しコーヒーは「ダッチ・コーヒー(オランダのコーヒー)」とも呼ばれる。

水を使用した抽出方法がオランダ領東インド(現インドネシア)で行われていて、オランダ人が改良した器具を作ったことから「ダッチ・コーヒー」呼ばれるようになった。

水で時間をかけて抽出する方法も、オランダ人が考案したという説があります。インドネシアで栽培されていたコーヒー豆は苦みが強かったので、駐在していたオランダ人が美味しいコーヒーを抽出するために考え出したとされています。

水出しコーヒーは、オランダ商人たちが船舶で長時間の航海をする際に便利な方法として広まりました。比較的長期の保存にも適していて、航海中も美味しいコーヒーを楽しむことができました。

17世紀のオランダは、オランダ東インド会社を通じてアジアからさまざまな商品を輸入していました。その中に含まれていたコーヒーも高い需要があり、アラビア半島や東インド諸島からコーヒー豆を取り寄せました。

オランダはコーヒー豆をヨーロッパ諸国へ輸出し、コーヒー取引の中心地として栄え、国内でのコーヒーの人気も高まりました。

オランダ黄金時代は、オランダがコーヒーの取引と普及に重要な役割を果たした時期です。今ではコーヒーが人々の生活に深く根付いています。

水出しコーヒーは通常、数時間かけて抽出するため、待つことが必要です。コーヒー愛好家にとっては水出しコーヒーを作る過程も待つ時間も、コーヒーの味わいを楽しむための価値があると感じる人も多いでしょう。

オランダの人々が、混雑や行列で待つことに対して比較的耐性があるのは、水出しコーヒーと関係があるのかもしれません。

なぜオランダが「Dutch(ダッチ)」なのか