オランダゆかりの物事典

プラチナ

アムステルダム国立美術館研究図書館

意味・解説

プラチナとは、周期表で「Pt」の化学記号を持つ銀白色の金属で、原子番号78を持つ元素。希少で貴重な金属のため、金や銀と並ぶ価値がある。

非常に耐食性があり、高温でも安定し化学的に耐久性があるため、宝飾品や工業触媒、医療機器など、さまざまな環境で使用される。

オランダとのつながり

プラチナの漢字表記「白金」の語源は、オランダ語の「witgoud」に由来する。

オランダ語で「wit」は「白」を、「goud」は「金」を意味する。

オランダ語の「witgoud」は、現在はホワイトゴールドを意味します。ホワイトゴールドは、金(ゴールド)と他の金属(ニッケルやパラジウムなど)の合金で、プラチナとは異なります。オランダ語でプラチナを意味する言葉は「platina」です。

プラチナは古代エジプトから宝飾品や装飾品に使用されていて、古代アンデス文明でも使用されていたという説があります。ヨーロッパでは、16世紀にスペイン人が南アメリカを侵略した際に発見し、持ち帰られました。

銀に似ていたことからスペイン語で小さな銀を意味する「platina」と呼ばれ、これが「platinum(プラチナ)」の語源になったとされます。

しかし、プラチナは銀と誤認され、融点が高く加工が難しかったため無価値とされていました。再評価され、加工技術が発展したのは18世紀になってからです。スペインの学者が再発見したことで、その価値が認識されました。

日本にプラチナが伝わったのは17世紀末から18世紀初頭にかけてです。江戸時代の鎖国の中で、オランダ東インド会社を通じてもたらされました。和名「白金」は、蘭学者の宇田川榕庵が名付けたとされています。

オランダは主に南アメリカからプラチナを輸入し、ヨーロッパや日本に輸出していました。プラチナはその希少性と美しさから、宝飾品や装飾品、貴重な品物として需要があり、オランダを通じて世界中に流通しました。