称号やタイトル戦
棋士の称号と将棋の大会である棋戦やタイトルなどを簡単にまとめました。
棋士の称号
棋士は一般的に「氏名 段位」の形式で呼ばれます。その棋士の実力や実績を示す重要な要素になります。
タイトル保持者は「氏名 タイトル名」で呼ばれます。タイトル保持者は将棋界で権威ある棋士と見なされます。
複数のタイトルを保持する場合は「氏名 王位・叡王・王座」のように、格付け順で列挙します。新聞などでは「氏名 ○冠」とする場合があります。
竜王と名人は別格に扱われ、ほかのタイトルの有無に関わらず「氏名 竜王」、「氏名 名人」とだけ呼ばれます。両方を保持すると「氏名 竜王・名人」と呼ばれます。
棋戦(きせん)
「棋戦」とは、将棋の大会のことで、通常はプロの公式戦のことを指します。タイトル戦、女流棋戦、一般棋戦、非公式戦があります。
タイトル戦(たいとるせん)
「タイトル戦」とは、日本将棋連盟が主催する公式戦で、将棋界における最高峰の称号をかけた棋戦のことです。タイトル戦は2024年現在8つあります。タイトルの数、序列や格付けは変更する場合があります。
竜王戦
将棋界最高のタイトル戦です。竜王ランキング戦(予選トーナメント)、決勝トーナメント、七番勝負と進行します。竜王と挑戦者による七番勝負は、例年10月から12月にかけて行われます。
「全日本選手権(略称「九段戦」)」から「十段戦」を経て、1988年に「竜王戦」に発展しました。賞金は将棋界最高で、名人戦に次ぐ歴史があります。
名人戦
将棋界で最も歴史のあるタイトル戦です。順位戦(リーグ戦)が名人戦の予選にあたり、順位戦、七番勝負と進行します。名人と挑戦者による七番勝負は、例年4月から6月にかけて行われます。
1935年に「終世名人制」放棄して「実力名人制」となり、1946年に第1期順位戦が開始されました。順位戦の優勝者が挑戦者となります。
王位戦
1959年に成立したタイトル戦です。予選トーナメント、挑戦者決定リーグ、挑戦者決定戦、七番勝負と進行します。王位と挑戦者による七番勝負は、例年7月から9月にかけて行われます。
叡王戦
2017年に一般棋戦から昇格したタイトル戦です。予選トーナメント、本戦トーナメント、五番勝負と進行します。叡王と挑戦者による五番勝負は、例年4月から6月にかけて行われます。
王座戦
1953年に成立して1983年に昇格したタイトル戦です。予選トーナメント、挑戦者決定トーナメント、五番勝負と進行します。王座と挑戦者による五番勝負は、例年9月から10月にかけて行われます。
棋王戦
1973年に成立して1975年に昇格したタイトル戦です。予選トーナメント、挑戦者決定トーナメント、五番勝負と進行します。棋王と挑戦者による五番勝負は、例年2月から3月にかけて行われます。
王将戦
1950年に創設されたタイトル戦です。予選トーナメント、挑戦者決定リーグ、七番勝負と進行します。王将と挑戦者による七番勝負は、例年1月から3月にかけて行われます。
棋聖戦
1962年に成立したタイトル戦です。予選トーナメント、決勝トーナメント、五番勝負と進行します。棋聖と挑戦者による五番勝負は、例年6月から7月にかけて行われます。
特別な称号
永世称号や名誉称号などは、尊敬される棋士たちに対して与えられる特別な称号で、その功績や偉業を称える意味が込められています。一定のタイトル通算獲得期や連続獲得などによって贈られます。
- 青野照市『「観る将」もわかる将棋用語ガイド』創元社, 2018
- 安次嶺隆幸『羽生善治監修 子ども将棋入門』新星出版社, 2017
- 窪寺紘一『日本将棋集成』人物往来社, 1995