趣味将棋事始

将棋盤の脚の形の意味とは

将棋盤の脚の形の移り変わりと、脚の形が持つ意味についてです。

脚付き将棋盤

本寸盤と呼ばれる将棋盤には、縦、横、脚高の寸法が定められていますが、厚さに規定はありません。昔は低く地味でしたが、次第に高く立派なものになっていったようです。

現在、プロ棋士タイトル戦では厚さが6寸(約18cm)の6寸盤と呼ばれる脚付き将棋盤が多く使われています。

脚形の変遷

囲碁の用具である碁盤の脚形が、宝珠形から逆L字形へと時代によって変わっていったのに準じて、室町時代の将棋盤の脚形は逆L字形をしていました。

江戸時代になって、現在の将棋盤の脚のような蓮座形が出てきたと推測されます。

脚形の意味

脚の形は、対局中の助言を戒めて梔子(くちなし=口無し)の実を象ったものとされます。

脚の高さは三寸で、盤と繋ぎ合わせるために彫り入れる分の「尾入れ」を含めた三寸一分で作られます。脚は盤師の好みで細工が施され、脚の胴に銘が入れられます。

参考資料
  • 窪寺紘一『日本将棋集成』人物往来社, 1995