趣味将棋事始

駒台の起源や発祥とは

将棋の便利な用具である駒台の発案とこれまでの経緯についてです。

駒台の起源

世界各国に存在する将棋類の中で、持ち駒が使えるのは日本の将棋だけなので、駒台の起源は日本にあるといえます。駒台の発案と発祥は、将棋の歴史において重要な出来事で、将棋の文化に深く根付いています。

駒台が出現する前

江戸時代の公式対局では、持ち駒は「懐紙」の上に置いていました。懐紙は懐に入れて持ち歩く和紙のことで、将棋に限らず様々な場面で使われていました。

明治時代になると、持ち駒を置くために「白扇」が使われるようになりました。白地の扇は見た目のよさや持ち運びの便利さなどから選ばれたのだと思われます。

駒台の発案

明治時代後期に、のちに八段まで昇った「飯塚力蔵」という人物によって駒台が発案されます。飯塚力蔵は、ひな祭りのお供えに使用する飾り台に着想を得て、駒を安定して置ける専用の台を考案しました。

この駒台は便利だったので、将棋指しにして駒師でもあった豊島太郎吉が制作を始め、明治43年の『万朝報』に通信販売の広告を載せていて、のちの昭和14年に豊島太郎吉商店で販売してるようです。

駒台の定着

将棋は日本で独自の進化を遂げ、その過程で駒の使用方法が確立され駒台が誕生し、導入されました。現代の将棋に駒台は定着していて、対局に欠かせない道具となっています。

参考資料
  • 窪寺紘一『日本将棋集成』人物往来社, 1995