趣味将棋事始

舟囲い、矢倉囲い、美濃囲い、銀冠、穴熊、雁木、金無双

有名な囲いの舟囲い、矢倉囲い、美濃囲い、銀冠、穴熊、雁木、金無双の解説です。玉将の囲い方を身につけるのに役立ててください。

舟囲い(ふながこい)

「舟囲い」とは、振り飛車に対してよく使われる居飛車側の囲いのことで、角から金、銀の形が船に似ていることから名付けられました。舟囲いのまま戦うことは少なく、左美濃や居飛車穴熊を目指すことが多いです。

舟囲い(先手側)・左美濃(後手側)
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矢倉囲い(やぐらがこい)

「矢倉囲い」とは、将棋の囲いで長く指し継がれている形で、特に相居飛車で多く使われる囲いのことです。金矢倉が一般的ですが、6七の金を銀に変えた銀矢倉、5七に右銀を加えた総矢倉、片矢倉などもあります。

金矢倉(先手側)・銀矢倉(後手側)
9 8 7 6 5 4 3 2 1
総矢倉(先手側)・片矢倉(後手側)
9 8 7 6 5 4 3 2 1

美濃囲い(みのがこい)

「美濃囲い」とは、振り飛車側がよく使う代表的な囲いのことで、横からの攻めに強く、発展性がある囲いです。金銀3枚で右側に囲う本美濃が基本形で、片美濃、高美濃、左側に囲う左美濃、天守閣美濃などがあります。

本美濃(先手側)・高美濃(後手側)
9 8 7 6 5 4 3 2 1
片美濃(先手側)・天守閣美濃(後手側)
9 8 7 6 5 4 3 2 1

銀冠(ぎんかんむり)

「銀冠」とは、玉将の頭に銀を乗せた囲いのことで、銀が冠のように見えることから名付けられました。美濃囲いから発展することが多い、上部に強い囲いです。

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穴熊(あなぐま)

「穴熊」とは、1つ進めた香車の下に玉を入れた囲いのことです。穴の中で熊が冬眠するような状態なので名付けられました。穴熊に堅く囲って強く戦うことは「穴熊戦法」と呼ばれます。

右に囲うのを「振り飛車穴熊」、左に囲うのを「居飛車穴熊」といい、お互いが穴熊のときを「相穴熊」といいます。

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雁木(がんぎ)

「雁木」とは、☗7八金と上がり、☗6七銀、☗5七銀と2枚の銀を横に並べた形のことで、雁が斜めに並んで飛ぶ形が由来とされます。現代ではあまり指されませんでしたが、AIの影響で見直された囲いです。

コンピューター将棋ソフト「elmo(エルモ)」が対抗型で多用した居飛車側の囲いも「elmo囲い」と呼ばれ定着しています。

雁木(先手側)・elmo囲い(後手側)
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金無双(きんむそう)

「金無双」とは、特に相振り飛車のときによく見られる、玉の横に金が2枚並ぶ囲いのことです。相振り飛車では金が2枚並んだ穴熊も見られます。

金無双(先手側)・穴熊(後手側)
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参考資料