将棋のルールやマナー
将棋の駒の並べ方や動き方、勝敗の決め方、ルール違反や禁じ手といった反則行為など、将棋を指す前に覚えておきたい基本的なルールや、気持ちよく対局するために必要なマナーをまとめました。
将棋のルール
将棋は、2人が交互に駒を動かし勝敗を競う戦略ゲームです。先に相手の玉将を詰ませたほうが勝ちとなり、負けたほうが投了して終局となります。対局には9×9のマス目が描かれた将棋盤と、8種類40枚の駒を使います。
駒の配置
9 | 8 | 7 | 6 | 5 | 4 | 3 | 2 | 1 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
香 | 桂 | 銀 | 金 | 王 | 金 | 銀 | 桂 | 香 | 一 | |
飛 | 角 | 二 | ||||||||
歩 | 歩 | 歩 | 歩 | 歩 | 歩 | 歩 | 歩 | 歩 | 三 | |
四 | ||||||||||
五 | ||||||||||
六 | ||||||||||
歩 | 歩 | 歩 | 歩 | 歩 | 歩 | 歩 | 歩 | 歩 | 七 | |
角 | 飛 | 八 | ||||||||
香 | 桂 | 銀 | 金 | 玉 | 金 | 銀 | 桂 | 香 | 九 | |
駒の地点は、将棋盤の筋の算用数字、段の漢数字を組み合わせた「符号」で表され、符号と駒名を結びつけて棋譜が分かる仕組みになっています。
【駒の並べ方】
先手、後手の決め方
先に指すほうを「先手」、後に指すほうを「後手」と呼びます。駒落ち戦は下位者が先手です。平手戦で棋力が同じくらいの場合は振り駒で決めます。
駒の移動
駒はそれぞれの動き方が決まっています。自分の駒の利きに相手の駒がいるときは、その駒を取って、そこに自分の駒を置くことができます。取った駒は自分の持ち駒になります。
玉(王)と金以外は敵陣に入ると成るか不成かを選択できます。一度成ると元には戻れません。敵陣の中なら次に動かすときに成ることができます。
駒の動き方
持ち駒の使い方
持ち駒は空いたマス目に打つことができます。表で打ち、最初から裏で打つことはできません。敵陣に打った駒は次に動かすときに成ることができます。
反則行為など
将棋は稀に反則行為によって決着がつく場合や、引き分けとなる場合があります。ルール違反や禁じ手は反則負けとなります。
二手指し(にてざし)
指し手は交互にします。2手続けて指したり、パスしたりはできません。2手連続で指すと「二手指し」という反則になります。
二歩(にふ)
同じ筋に歩を2枚使ってはいけません。すでに歩のある筋に歩を打つと「二歩」という反則になります。と金と歩が同じ筋にあるのは構いません。
行き所のない駒
行き所のない場所に駒を打ったり、動かしたりしてはいけません。桂は一、二段目、香、歩は一段目に打てません。その地点にそれらの駒が進む場合は、必ず成らなければいけません。
打ち歩詰め(うちふづめ)
歩を打って玉を詰ませてはいけません。持ち駒の歩で詰みの状態にすると「打ち歩詰め」という反則になります。
突き歩詰め(つきふづめ)
盤上の歩を進めて詰ます「突き歩詰め」は反則ではありません。
王手の放置
相手の王手に対し、これを防がないで他の手を指すと反則負けとなります。また、相手の駒の利きに玉を移動させたり、自玉で相手玉に王手したりする指し手も反則負けとなります。
千日手(せんにちて)
お互いが同じ手順の繰り返しで、同じ局面と手番が4回変わらない場合は「千日手」となって、先手と後手を入れかえて指し直しになります。
連続王手の千日手
「連続王手の千日手」は、同じ手順を4回繰り返したところで、王手をかけているほうの反則負けとなります。
持将棋(じしょうぎ)
お互いが入玉して詰む可能性がなくなった場合は、その局面で大駒を5点、小駒を1点として計算して、24点に達していないほうは負けとなります。お互いに24点以上あれば「持将棋」となって引き分けが成立します。
将棋のマナー
将棋には、気持ちよく対局するためのマナーというべきものがあります。
基本的なマナー
- 上手が王将、下手が玉将を持つ。
- 駒はマス目の中に、相手のほうに向けて置く。
- 持ち駒は相手から見えるように置く。
- 盤面に覆いかぶさって視界を妨げてはいけない。
- 「待った」や、頻繁に指し手を戻すのはいけない。
- 王手をかけるときに「王手」と言う必要はない。
- 終局後はできるだけ感想戦をする。
3つの礼
「お願いします」
将棋は相手がいないと対局できません。同じ時間を共有する相手に対局前に「お願いします」と敬意を表します。「負けました」
将棋は負けを自分の意志で伝えることで終わる競技です。素直に負けを認め「負けました」と投了を宣言します。「ありがとうございました」
対局が終わったら最後に「ありがとうございました」としっかり相手に感謝の気持ちを伝えます。
- 青野照市『「観る将」もわかる将棋用語ガイド』創元社, 2018
- 安次嶺隆幸『羽生善治監修 子ども将棋入門』新星出版社, 2017
- 窪寺紘一『日本将棋集成』人物往来社, 1995